正月3日は長女一家が福島の家に帰る日である。
婿が駐車場からクルマを出してきて荷物をトランクに積み込む。その間に2人の孫は団地の周りでしばし遊ぶ。
荷物を積み終わり、クルマの前で記念写真。それも撮り終わり、いよいよクルマに乗って家路へという段階になって小学5年の孫が泣き出した。このT樹のお決まりの行動だ。いつもジジババの家から帰る段になって泣き出す。
最初に気が付いたのは彼が4歳の時。長女と孫2人で帰省していた彼らを大宮駅までかみさんと2人で見送りしたのだが、新幹線が出発する寸前に大泣きし始めた。そのときは何かわがままを言い始めたのかと思っていたのだが、しばらくして長女がメールで、ジジババとの別れがつらくて泣いたのだと知らされ、もうそんなことを感じる年になったのかと感慨深く感じたものだ。考えてみれば、大宮駅構内のレストランでみんなで食事をしている時から何だか不機嫌だった。きっとあの時から泣き出したくなる気持ちをこらえていたのだろうと思ったらすべて合点がいった。
その時以来、長女一家が帰省したあと、休暇を終えて帰宅するたびに泣き出すようになった。長女から聞いたクラス担任の先生の話によれば、T樹はクラスの中に誰か困っている人はいないかといつもクラスみんなのことを気にかけているような心優しい子だ。だから小5になっても別れがつらいのだろう。これからもずっと心優しい人間でいてほしい。
面白いもので対照的に弟の小2のT真のほうはいつも泣いている兄貴の隣でケロッとしている。別れには強いが、実は怖がりで泣き虫。花火の音にも怖がる。小2のくせにYouTubeでいろいろ研究していて、元日は彼の希望で長女一家は原宿の竹下通りにあるタピオカドリンク屋にまで出かけ、彼がファンだという「しなこちゃん」とやらにサイン入りのプロマイドまでもらってきた。
昨日は娘一家でムーミンバレーパークに行き、このT真がゲームでなんとムーミンのぬいぐるみをゲットした。上機嫌で帰ってきたので、ゲームでぬいぐるみを当てたことを大いに褒めたうえで、「それじぃじにちょうだい」と言うと、怪訝な顔つきをしつつも少しうなづいて、なんとムーミンのぬいぐるみを差し出したのだ。どんな心境だったのだろうか。とっさのことでつい従ってしまったのか。「冗談だよ」というとホッとした表情を見せた。
それぞれ持ち味の違う2人がこれからどのような道を歩んでいくのか。楽しみではある。
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